車のCO2 (二酸化炭素)排出による、島の環境負担

宮古島Emission

離島の観光地は、広い本土の観光地とは多くの異なる環境対策や生態系の保護対策が必要になります。 その一つが観光開発と生態系への影響です。 環境開発の中で、土木工事や建設事業に伴う生態系への影響は次の機会として、今回は車のCO2 排出による、島の環境負担について考えます。

2014年度時点での宮古島の車両数は、ガソリン車が約10200台(内約1300台がレンタカー)、ディーゼル車が約5100台で、合わせて約15300台が島内を走っています。 ここでは、ザックリとエンジンのサイズを平均化して車両一台につき年間の二酸化炭素 (CO2) 排出量を2200kg とします。 また、秋の落葉量の少ない先島の広葉樹を対象として年間二酸化炭素の吸収量を1本あたり約70Kg と考えると、宮古島で車1台分の二酸化炭素を吸収するためには、約31本の木が必要になります。 したがって、島全体の車両数に見合う広葉樹の数は465000本です。

もちろん、大気中に放出されたCO2 は海水にも吸収されます。 ただ、大気中と海水中の二酸化炭素の濃度の圧力差で海水中に吸収されたCO2 が吸収と放出を繰り返すのと、風の日には海水に吸収される前に大気中に飛ばされるので、限定地域での吸収量を計測するのはかなり難しくなりますので、ここでは参考値の対象外です。
ちなみに算出方式は、F = K × ( p CO2sea − p CO2air ) ですが、興味のある方は気象庁のホームページでも調べることができますので、参考にしてください。

ここで提案したいのは、観光関連産業による宮古島の緑化推進事業です。 観光客の移動に欠かすことのできないレンタカーと観光バスのいずれかを利用することで、観光客一人当たりの平均移動距離によるCO2 排出量は、単純計算でも宮古島の総人口による排出量の16.25%になります。

これらのことから、観光業界とレンタカー業界、植生地表をアスファルトに変えた広い駐車場を持つホテルやゴルフ場ではそれぞれの会社のエコツーリズム推進事業への参加で企業イメージを一層高めるためにも、16.25% に見合う植樹75000本程をすることで、10年後にはさらに宮古島の景色が魅力的になるはずです。

失われた生態系を再生する4つのステップ

宮古島の生態系

失われた宮古島の生態系を取り戻すには、どのようなプロセスが必要でしょうか?
一度失われた、あるいは失われつつある生態系を取り戻すにはとても多くの作業が必要です。 それらを作業グループ別に分けると、上の図にある4つのプロセスになります。

1. 植物や生き物の数が減った原因を究明(リサーチ)する
消滅あるいは消滅の危機にある植物や生き物の数が減った原因を究明(リサーチ)します。
このプロセスは教育上とても良い体験となりますので、小学生から中学、高校生まで、クラスごとの自由研究として作成してみましょう。 宮古島キッズネットによる自由研究のための参考フォーマットには以下の調査課題があります。

(a.) ;あなたの住んでいる地域の植物と生き物は、昔と今とではどのように変わりましたか? 家族や近くのお年寄りの助けをかりて、昔はあったのに今はあまり見かけなくなった植物や生き物をリストアップしましょう。
(b.) それらの植物や生き物がなぜ無くなったり、消滅の危機にあるのでしょうか? 原因をできるだけ詳しく調べてみましょう。
(c. ) 昔の土地の利用状況と今の利用状況を絵に描いて、その違いを比べてみましょう。
(d.) (c.)の変化によって失われたものは何かを調べてみましょう。
(e.) (c.)を昔の状況に戻す方法はありますか? もし無いのであれば、その地域内の他の場所で昔の状態に近い環境を再生する方法を考えてみましょう。

(a.) から (e.) .までのプロセスは学生だけが対象ではなく、このプロジェクトを進める地方自治体や県、国など行政が行う場合でも同じ内容のリサーチが必要になります。

2. 再生させるための構想(プラニング)を組み立てる
消滅の危機にある植物や動物のなかで、急いで再生しなければならないものに優先順位を付けて、優先順位の高いものから再生させるための構想(プラニング)を組み立てます。

3.生態系の再生計画と作業工程(エンジニアリング)の作成
生態系の再生プロジェクトで最も大切なプロセスが再生計画とプロジェクトを順調に進めるための作業工程 (エンジニアリング)です。

STEP 1:
まず、失われた原因を取り除くことです。 取り除くことが完全にできないときは代替、つまりこれに代る植物や生き物が生きやすい環境を作ります。
STEP 2:
新しく育てる植物や生き物が間違いなく地元の原生種であることを確認するために、DNA検査を行います。
STEP 3
植物や生き物の専門家や民間研究者の助けを借りて、再生を確かなものにするための技術的なロードマップを作ります。
STEP 4:
現在そして未来環境での生態系維持を確実に生存させるための技術開発を行い、ノウハウの蓄積を続けます。

4.再生後その状態を持続させる(サステイニング)体制作り
再生後その状態を持続させる(サステイニング)ことが、生態系を取り戻すプロセスで最も難しいものです。 再生の第一世代を育てるのは、インキュベーション手法で以外にあっさりと出来ますが、問題は自然環境の中で植物や生き物の繁殖活動がうまく始まるかどうかです。

これが出来ていなかったり、繁殖活動が活発かつ順調に行われない場合は一時的な効果だけで、生態系を取り戻したことにはなりません。 世代を繋いで継続できる総合的な体制作りが必要です。

また、行政は予算のある時のみ事業支援が可能となりますが、切れ間のない社会事業や環境事業を続けるためには地元の市民レベルでの事業参加体制と必要資金の調達方式をしっかりと作り上げる必要があります。

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宮古島プロジェクト

Author:宮古島プロジェクト

宮古島をはじめ離島で暮らす人々の将来のために島を活性化し、島民が心豊かに暮らすことの出来る場所にするための活動モデルをプラットフォーム上で構築するのが、ゆうやなうれ宮古島プロジェクトです。

このブログでは、主に離島の抱える問題に関する世界の参考データや資料を紹介しています。

ゆうやなうれ宮古島プロジェクトはいずれの団体、組織、特定の政治や思想グループにも属さず、影響を受けることの無い完全独立系の活動組織です。

(宮古島プロジェクト 運営管理部)

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