リサイクル事業は行き詰ったのか?

多くの人々が既に気付いていたことですが、6月20日のワシントンポスト紙の 「アメリカのリサイクル事業は行き詰った」の記事は、今更ながらにゴミの再生が現代社会にとってどれ程大きな負担になっているかを思い知らされます。

わずか10年程前の話ですが、世界の先進国では 「いかにしてゴミの焼却炉の建造数を減らし、リサイクル資源としての利用率を高めていくか?」、の方向に向かっていました。

この動きの発端は、1997年に締結された「京都議定書目標達成計画」の地球温暖化対策推進法改正改定案において廃棄物処理における取り組み項目に廃棄物発電等エネルギー利用、プラスチック製容器包装のリサイクル、BDF(Bio Diesel Fuel)の導入等が挙げられていることにあります。

ところが、2011年頃から世界各地でリサイクル事業は目標値に到達することが難しい状況になりました。 原因のひとつは中国経済の鈍化で、プラスチック廃棄物や古紙の需要の落ち込みが続いています。 これに伴い取引単価も下落し、再利用資源としての潤滑な需要供給バランスが崩れています。

そうなると、再生資源としての役割を果たせない大量のプラスチックや古紙は再び膨大な処理費用をともなう焼却処分や埋め立て対象の廃棄物に戻ります。
さらに、ゴミ処理のための焼却炉の数が減っており処理が十分にできないという危機的状況の地域もあります。

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Photo Courtesy: United States Environmental Protection Agency

これが、「アメリカのリサイクル事業は行き詰った」の記事に至る実情です。

また、日本でも多く行われている再生エネルギー構想にしても、稼働後に得られるエネルギー量などはわずかなもので、経済効果の上では採算点に達することなく、稼働を続けるためには国や自治体の継続的支援が必要となっています。

そこで、アメリカの傾向としては再び埋め立て処分を行う比率が高くなってきていますが、日本でも過度の分別作業を市民に負担させておきながら、リサイクル業者が引き取らない時はさっさと一般焼却ゴミと混ぜ合わされ、焼却していることがよくあります。

ゴミの処理に関しては、再生市場の経済事情に振り回されることなく、どこまで地域完結型の処理が出来るかが完全処理・安全処理のカギとなります。

農家の味方ニィ・ヨン・デイ

WHOは6月23日、2. 4-D アミン塩除草剤を人間にとってガンの発生が懸念される農薬としてこれまでのカテゴリーを一つ上げ、Group 2B に指定したと発表しました。

この研究発表は、WHO の研究機関のひとつである国際ガン研究局 ( International Agency for Research on Cancer, IARC) によってなされたものです。

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2. 4-D といえば、世界各国でも広く使用されてきましたが、特に日本では 「農家の味方ニィ・ヨン・デイ」と呼ばれ、手軽さ、便利さ、効果の高さで全国に普及し、高温時(25℃)であるほど効果が高まるという特性から、沖縄のサトウキビ農家も使っています。

日本では農家に限らず、自治体の道路わきの雑草対策や、私たちの確認した中には町内会役員が子供の遊び場の雑草を刈る手間を省くために2. 4-D や他の除草剤を使っていました。

私たちの懸念は、2. 4-Dのもつ土壌中での高い移動性による地下水への影響や研究がまだ十分に尽くされていないこと。 また、2. 4-Dのようなホルモン型の移行性除草薬がどのような形でヒトに害を及ぼすのかのメカニズムがわかっていないことです。

しかし今回のWHO の発表は、この2. 4-Dとガンの因果関係を一歩踏み込んで免疫学的分析を行った結果、酸化ストレスなどの生成を誘発する可能性があるとのエビデンスを確認できたということです。 これにより、非ホジキンリンパ腫 (Non-Hodgkin Lymphoma, NHL) など進行性の高い(中悪性度で月単位で病状が進行する)胸壁発生悪性リンパ 腫や、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫などが懸念されます。

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2. 4-D アミン塩除草剤に限らず、除草剤については子供が直接薬剤に触れる可能性のある環境では使わないことが大切ですし、散布する農家の人々の健康管理のためにも、今回のWHO の発表をうけて、あらたな使用基準がメーカーや農業団体から出されることを望んでいます。

また、他の多くの地域のように、水源がはるか遠くの山岳地帯ではなく、多くが畑地に降った雨水が地下水源となっている宮古島の場合は、やはり化学肥料や農薬による水源の環境変化、環境負担、地下水への流亡状況の実態についてより細やかなモニターをする必要があります。

参考資料:
1. The International Union of Pure and Applied Chemistry (IUPAC)
2. Ministry of the Environment and Climate Change, Canada
3. The International Agency for Research on Cancer (IARC)
4. International Programme on Chemical Safety (INCHEM)

宮古島でのサステイナビリテイとは

 沖縄でもサステイナビリテイという言葉は講演会やセミナー、商業活動、販促活動、さらには基地反対運動にまで利用されていてその応用力の自在さに驚かされます。

 今日は、欧州中央銀行のマリオ・ドラギ総裁がギリシャ政府に 「経済政策をしっかりやって、借入金の返済を持続可能なものにするように」 と珍しく借金返済にサステイナブルを使っていました。

 「持続可能な発展」 については1987年、国連の環境と開発に関する世界会議で当時のブルントランド (Gro Harlem Brundtland) ノルウエー首相が議長となってまとめ、採択された報告書の中では 、
“Sustainable development, which implies meeting the needs of the present without compromising the ability of future generations to meet their own needs”
とありますが、日本ではほとんどが 「現代の世代が、将来の世代の利益や要求を充足する能力を損なわない範囲内で環境を利用し、要求を満たしていこうとする理念。」 と、いかにも学者による理論付け風の訳になっています。

 しかし、報告書の精神に沿った形で日本語訳をすると 「持続可能な発展の道は、将来の人類の必要を損なうことのない方法で現代の人類の必要を賄っていく」 ということになると思います。 「要求を満たす」と言うよりは「必要な量だけを賄う」と言うのが本来の sustainable でしょうね。

 現在巷には、サステイナブル・ファッション、サステイナブル・ライフスタイル、サステイナブル・ツーリズム、サステイナブル評論家など 「それのどこがサステイナブルにつながっているのか?」 じっくり聞いてみなければ関連性がわからないものもたくさんあります。 しかも、サステイナブル本来の効果的運用は商業活動による消費者をターゲットにして行うものでなく、地方行政や国家、国際組織により間断なく粛々と実行し続けることで、初めて効果が期待できる壮大な人類生存のための事業なのです。

 なぜ国連が 継続可能な発展の道 (Sustainable Development) をまとめるに至ったかを考えると、1980年代になってやっと私たち人類はこの地球以外にまったく逃げ場のない星の住人であると気づいたということです。

 そのコンセプトをもとに宮古島で もサステイナブルを考える時、「将来の宮古島の住人の必要を損なうことのない方法で、私たちの必要を賄っていく形で発展を続ける道を探す」 のが行政や議会議員のもっとも大事な仕事となります。

 そのための検討が十分に行われていない場合は、市民が積極的にそのための働きかけを行う必要があります。 その理由は、宮古島など観光が主要産業の地域はどうしても外部からの開発業者による事業が多くなり、島の持続可能な発展を維持するのが難しくなり、結果として将来の宮古島の住人の必要を大きく損なうことになるからです。

 ご参考までに、下のリンクは、国連による世界の持続可能な開発に関する2015年度報告書です。

UN_Sustainable_Development500.jpg
URL: https://sustainabledevelopment.un.org/?page=view&nr=820&type=230&menu=2059

Photo courtesy: United Nations Department of Economic and Social Affairs

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宮古島をはじめ離島で暮らす人々の将来のために島を活性化し、島民が心豊かに暮らすことの出来る場所にするための活動モデルをプラットフォーム上で構築するのが、ゆうやなうれ宮古島プロジェクトです。

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