アルコール依存症と家族の置換症状 (パラ - アルコホーリズム)

多くの日本企業が進出し、日本人の多い都市として知られるカリフォルニア州トーランス市に、アルコール問題に関する世界的研究所 Adult Children of Alcoholics (ACOAS), World Service Organizationがあります。

ACOASをはじめ、今世界では酒を原因とする生活習慣病がそれぞれの家族の子供たちに与える精神的、肉体的苦痛の大きさに関する研究が盛んに行なわれ、アルコール依存症の家族を持つ子供たちがどう成長し成人となっていくかの追跡調査の結果や新しい発見は、次々と各国のワークショップを通じて子供の救援や治療に生かされています。

アルコール依存症の家族を持つ子供にADHD(注意欠陥多動性障害)か多いとのCDC (アメリカ疾病管理予防センター) をはじめ多くの研究結果がありますが、家族にアルコール依存症患者がいる家の子供は継続的な精神的ストレスによる自己免疫疾患や内分泌異常によりADHD以外にも多くの失調症をかかえることになります。

最近のワークショップで多く語られるのが、Para-Alcoholism (パラ - アルコホーリズム)です。

パラは医学用語では「擬似」や「置換」 ですが、アルコール依存症患者は一緒に住む子供を含む家族全員に、アルコール中毒者の感情や悪影響をそっくり置換反応させてしまっている現象がパラ - アルコホーリズムです。

パラ - アルコホーリズムの影響は、特に強く主張できない性格の妻や子供に顕著に現れるといいます。そうして、子供たちは人生そのものに大きな影響を与える性格上の変化を次々と置換反応させ、症状を悪化させ、成人していきます。

具体的な症状は次のようなものです。

1.人に話しても理解してもらえない特別な境遇にあると考え、いつも孤立感や孤独感を持つようになる。

2.こんな環境で育った自分は、とても人には認めてもらえないだろうと考える。

3.他の人の怒りにとても敏感になり、脅威と感じるようになり他人とのかかわりをことさら避けるようになる。

4. 怒りや悲しみで自分ではどうしていいのかが分からない生活が続くと、心が今のことだけになってしまい、将来や自分の夢を持つスペースが全くなくなってしまう。

5.大人が酒に溺れる生活を目の当たりにし、自分も現実逃避をしてみたいとの思いが強まり、酒や薬物を試したいとの誘惑に負ける。

6.家族の暴力的、あるいは実際の暴力による支配は、子供が自立した個人として成長する前に精神的・性格的に大きな歪みと暴力性をもたせてしまう。

これらが、アルコール依存症患者が家族や子供に与える置換症状 (パラ - アルコホーリズム)です。

パラ - アルコホーリズムの治療法は一つしかありません。 家族のアルコール依存症患者を治療させ、完治させることです。 アルコール依存症の人はよく、「酒飲んで病気になっても、苦しむのは俺なんだから余計な指図はするな」と啖呵をきりますが、苦しむのは本人ではありません。 
本人の苦しみをはるかに越える苦しみを、家族と子供が味わっています。

参考資料;
1. Adult Children of Alcoholics World Service Organization
2. The Centers for Disease Control and Prevention

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宮古島をはじめ離島で暮らす人々の将来のために島を活性化し、島民が心豊かに暮らすことの出来る場所にするための活動モデルをプラットフォーム上で構築するのが、ゆうやなうれ宮古島プロジェクトです。

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