我が子を酒や薬物依存症の犠牲者とさせないための親の対策

 子供が酒や薬物の摂取を続け、依存症となるケースはけして珍しくなく、子供を持つ家庭であればその危険性は親や家族が考える以上に高いのが現実です。
 また、今回のテーマ 「我が子を酒や薬物依存症の犠牲者とさせないための親の対策」は、様々な誘惑にさらされると考えられている都会の子供たちの親のための対策だけではありません。 地方や離島で生活する子供たちの親もまったく同じ条件下にあり、依存症から子供を守る具体的な行動が求められています。

 そのための具体的な研究報告が日本では見つからなかったので、今回は全米保健研究所 NIH (National Institute of Health) の資料を基に、親の行動はどうあるべきかを考えていきます。

我が子を酒や薬物依存症の犠牲者とさせないための親の対策

1. 親は、子供がティーンエイジャーとなった13歳頃より、子供とお酒や薬物の問題について積極的に話し、子供がこの問題についても親と話しやすい環境を作っておく。

 ここで、親や家族に共通する懸念があります。 それは「そんなに早くから子供に酒や薬物について説明したり話し合いを続けると、逆に子供の酒や薬物への興味を煽ることになってしまいませんか?」ということです。

 NIH のリポートではこの点に関し、「多くの親がその心配をするが、親がしっかりと現実を見据え子供たちに説明を続けることで、継続調査の結果からも子供は親の思いを知り、親の考えを理解しようとします。また、このような親の姿勢を見て、親に対する信頼も高まっています。」と報告しています。

2. 子供が今の親子関係、家族関係がどのような状況と受け止めているかについて、子供に直接質問する方法以外で親が確認し、改善の必要な事があれば改善しいつも話し合いができる環境を作る。

3. 家系として、親や祖父にアルコールや何らかの依存症体質があったか、無かったかを確認します。 そのような依存症を持つ親族がいた場合は、家庭内で飲酒の危険性についての認識の甘さや緩やかな考え方が出来上がっているかもしれません。
この考えや習慣を、子供に引き継ぐことの無いように家族で考えましょう。

4. 子供の成長と共に、性格や考え方がどのように変化していっているかをしっかりと理解する。 社会性があまり無かったり、将来の夢や希望がはっきりしていなかったり、熱中するものをもっていなかったりと、子供なのになんとなく日々が過ぎていく生活は退屈しのぎにアルコールや薬物に手を出しやすい状況でもあります。 家族は、アルコールや薬物に手を出させない努力でなく、子供の興味や将来への夢をともに語り合い社会への適応力を高め伸ばすための努力をしましょう。

5. 家庭内に酒の依存症の人がいない場合でも、子供たちがいつでも勝手に試し飲みをしたり、コップに注いで自分の部屋に持っていけるようになっていませんか? このような家庭の子供たちが、習慣的アルコール依存症になる可能性が高まります。 お酒類の管理方法を考えましょう。

6. 悪い友達に誘われていませんか? 家庭内で孤立させないように、悩みや問題を家族に相談したり、家族が「悩みがあるんじゃないの?」とストレートに問題を聞き出す環境を日頃より作り、交友関係を把握しておきましょう。

 以上が、全米保健研究所 NIH による「未成年者をアルコールと薬物依存症から守るための活動」の中からいくつかの報告内容を抜粋しまとめたものです。
ここにある6つのチェックポイントは、けして多くなくまた専門的知識や専門家の指導を仰ぐことなくすぐに実行できるものばかりです。

 子供のアルコールや薬物依存症が親の手に負えないほど難しくなってしまうのは、それまでに親や家族でも出来たはずの1から6までのいずれの行動もしていなかったことに原因があるようです。 その結果、症状が進んで生涯にわたる重篤なケースを含む何らかの心身障害へと進行させてしまいます。

雇用環境の変化と労働条件の悪化にどう対処するか

今年も本土で就職していた、あるいは進学のために本土にいた若者の何人かが宮古島に戻ってきました。 こうして、宮古島に戻ってくることが出来た者は幸せな方かも知れません。

昔から、多くの離島出身の若者が本土に就職のために渡りながらも、本人の期待と現実のギャップの大きさに我慢できずに島に戻ろうとしますが、親の世間体などの理由で島に戻ることが出来ずに本土や沖縄本島で就職難民となった若者が一定数いました。
これらの若者たちは、親の 「あんたも、もう少しそっちで頑張りなさい」 という言葉を聞いた時 「ホントは、帰って来てほしくないんだ」 という親の本音に気づきます。

現在、日本の就職環境はますます厳しさを増しています。 企業は “ブラック” と呼ばれる若者を奴隷化する人権無視の企業ばかりでなく、名の知れた大手企業でさえ平気で若者を使い倒すことで利益を上げる時代となりました。
そのような会社で認められるために若者たちに求められるのは、「自分の全てを会社と上司の価値観に合わせる」 ことだけであり、こうすることでのみ会社での自分の居場所を確保することが出来ます。

しかし、会社は従業員にそこまで徹底した貢献を求めておきながら、従業員の将来や生活の保障を一切しません。 ワーキングプアーの根がここにあります。
以前は日本の多くの経営者が持っていた、「従業員と従業員の家族の生活を守ることで初めて会社を成長させることが出来る」 との考えは変わりつつあります。 「株主を喜ばせることが、自分の地位と収入を守る最善の道」 と考える身勝手な企業経営陣や組織のトップにとって従業員はあくまでも道具なのです。

これが、今の若者たちが生きている現実社会であり、どこで倒れてもすべて自己責任で片付けられてしまいます。
若者が抱く「安定した収入を得て、結婚し、家族とともに幸せに生きたい」 というささやかな願いを持つことさえ、とても難しくなっています。 今の社会は、多くの若者にとって就職という形で自らの人生を支えることが難しい時代になりました。

そのような中で唯一の自立の可能性は家族の協力です。 特に親が我が子の自立のための最大のサポーターとなって、精神面で支えてあげることが大事です。 会社や上司の状況を親もきちんと把握し、常に子供がどのような状況に置かれているのかを確認しましょう。

親は、子供が安定した仕事に就けない理由を子供の資質や性格の問題と考え、挫折と受け取ることも多いようですが、その多くは個性や特定の分野で優れた才能を持つ人々を個別に評価するすることを止めた企業にとって、無条件で働く駒となれる従業員以外を必要としない時代となっていることを認識しなければいけません。

特に自らの精神と体力を削りながらブラック企業で働く若者を持つ親は、1日も早くこの絶望的な就業環境から抜け出させ、家族が協力してほかの仕事を探す、あるいは他の選択肢を見つける必要があります。

また親が資金的な支援を行い、自営や共同事業という形で子供と共に起業し、働く喜びと収入を確保し、子や孫のための人生をサポートする方法も選択肢のひとつです。

少年・若年犯罪者と飲酒の実態

コロンビア大学に付属する「全米麻薬及びアルコール依存症研究所」が2014年4月に発表した少年刑務所に収容された少年・若年犯罪者たちと飲酒とのかかわりに関する最新統計は、対象年代の子供たちを持つ家族にとっては多くの警告を与えてくれます。

1.収容者の  75%  が習慣的に酒を飲んでいた。
2.そのうちの  3.6%  だけが専門医の治療やカウンセリングを受けていた。
3.暴力行為で収容された  64%  の子供が習慣的に酒を飲んでいた。
4.不法侵入罪で収容された  72%  の子供が習慣的に飲酒していた。
5.脅迫、社会秩序びん乱行為者の  81%  が習慣的に酒を飲んでいた。
6.収容者で何らかの精神的障害を伴う子供の内  75%  が習慣的に飲酒していた。
7.収容者の内学習障害を持つ子供の  80%  が習慣的に飲酒していた。

これらの具体的な数値と共に、若年で飲酒を始めた子供たちは、以下のように人生を変えてしまうほど、より危険な道を歩むことになります。

男女が12歳から20歳の間に習慣的に酒を飲むことで、次のような事実に直面します。
1.犯罪者となって逮捕される可能性: 2倍
2.市販薬をオーバードーズするようになる: 3倍
3.マリファナに手を出す可能性: 3.5倍
4.エクスタシーなど違法ドラッグに手を出す可能性: 7倍
5.コカインに手を出す可能性: 20倍

これらはアメリカでの最新統計ですが、傾向として日本でもきわめて似かよった状況にあると考えるのが合理的です。
特に酒に手の届きやすい家庭環境をを持つ宮古島の子供たちにとっては、酒の被害者となり、その結果はからずも加害者の道を歩むようになる可能性が高いといえます。

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Author:宮古島プロジェクト

宮古島をはじめ離島で暮らす人々の将来のために島を活性化し、島民が心豊かに暮らすことの出来る場所にするための活動モデルをプラットフォーム上で構築するのが、ゆうやなうれ宮古島プロジェクトです。

このブログでは、主に離島の抱える問題に関する世界の参考データや資料を紹介しています。

ゆうやなうれ宮古島プロジェクトはいずれの団体、組織、特定の政治や思想グループにも属さず、影響を受けることの無い完全独立系の活動組織です。

(宮古島プロジェクト 運営管理部)

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