「いざという時のために」の“いざ”は、いつのことですか?

危機管理を語る時に必ず出てくるのが、「いざという時のために」という言葉です。 でも、「“いざという時のために” の “いざ”は、いつのことですか?」と聞くと、その答えは人によってかなりの差がありそうです。

今を軸として考えると、その差は「今」に始まって、「数か月先」、「数年先」そして「かなり先の話」というように、多くの人は具体的な時間軸で理解しているのではなく、「現在との時間的継続性を持たない、未来の一定時」つまり、イメージ上のある時に何かが起きたと想定したのが「いざという時のために」の解釈になっているのです。
この考えを持っている人々にとっては、避難準備や危機管理への対応策を具体化させることがとても難しくなります。

私たちの危機管理に関する討論でも、一番多く寄せられるのが 「そんな、何時来るかもわからないものにいちいち準備したら、倉庫がいくつあっても足りないでしょう」とか、「食品の備蓄には、多くの食品が期限切れとなり廃棄処分となり費用的にも、資源の無駄にも結びつくものですから、危機が近づいた時に考えればいいことであり、日常的に備蓄を続けるのは理論的には理解できても現実的ではないと思います」 という正論も多く出ます。

実はこのような多数派の意見の中に、現実的対応をするヒントがあります。
多くの皆さんが指摘する論点の基本となっているのが
① 誰かがしてくれた場合(多くは、政府や自治体を想定)が発言の中心にあり
② 一旦備蓄した各種緊急物資は、基本的には必要とされる日まで積みっぱなし
③ 缶詰や乾パンなどの長期保存用食料品も、賞味期限が来たものを廃棄処分し新しいものと差し替える
というように、保存施設、購入者、保管・管理責任のいずれも自分が当事者ではないところでの論評です。 例えるなら、政治ブログで多くの皆さんが展開している論調を読ませてもらっている感覚に近いものです。

危機管理の立場からいう「いざという時のために」の “いざ” は “今” から始まっています。しかも多くの場合、この「いざという時」は各家庭や職場単位など、全て自分の身の周りでの準備であり、行政や政府からの支援が具体的に期待できる発生後72時間を、家族でどのように生き延びるかの準備です。

また、離島では国家や県の支援が物理的に届きにくいと考えさらに2日追加して、120時間(5日)分のサバイバル・キットが必要です。 自己管理ですから、缶詰など保存食品の買い置きは、常に家族の食事のローテーションに組み込んでおけますので、賞味期限前に使い切り、補足していきますので、無駄がなく廃棄処分も出ません。 これも自分で確実に危機管理できるメリットのひとつです。

私たちが東北大地震で被災された人々から、ひとつ大切な事を教わりました。
これは東北地方では古くから言われてきた事だそうですが、「いざという時」には「てんでんばらばら」が生き延びる知恵というのです。 「てんでんばらばら」は家族であらかじめ話あっておき、「いざという時」には迷わず、各自の判断でわが身を守るために行動することで、生き延びる確率が高まるということです。

この話をすると、必ず多くの方々より「“てんでんばらばら”といったって、高齢者や病気、障碍者を残して勝手に避難するなんて出来ないでしよう」 とお叱りを受けます。

このご指摘はもっともで、高齢者、病人、障害者を見捨てる危機管理は存在しません。 それどころか、現在の “てんでんばらばら” を実現させるための危機管理上の大原則があります。

それは、危機管理の第一は避難が困難だったり、災害に見舞われる恐れのある場所には大切な高齢者や病人、障害者を住まわせないことです。

家族の危機管理に関する本気度が試されることにもなりますが、このような特別のケアーが必要な家族のためには、ここまでの準備と覚悟が必要です。 現実として、これらの家族は医療費その他で日常より多くの経済負担があり、実現がどれ程難しいかもわかりますが、自分の判断力と体力で危機から脱出するのが難しい、小学生までの子供をお持ちのご両親も含め、危機管理とは安全な土地への住み替え(リロケーション)までを含む家族の一大事業です。

ここまで徹底することで、働く家族がそれぞれの出先で災害にあった時に自分たちの立てたシュミレーション通りに心置きなく “てんでんばらばら” に自分が生き延びるために行動することができます。

政府は、4月3日に地震や集中豪雨、大雪、津波など大規模災害への対応を強化するために、アメリカの連邦緊急事態管理庁(FEMA)をモデルとした組織の設置に関する検討を始めたと発表しました。

FEMA-Ready

この組織の活動の中に、離島への対応が一層充実されることを望みますが、それ以上に島に住む私たち自身の家族単位での具体的な取り組みが大切です。

また、赤十字社による非常キットやサバイバル・キットもネット上で手に入りますので、家庭と職場に揃えておきましょう。

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Author:宮古島プロジェクト

宮古島をはじめ離島で暮らす人々の将来のために島を活性化し、島民が心豊かに暮らすことの出来る場所にするための活動モデルをプラットフォーム上で構築するのが、ゆうやなうれ宮古島プロジェクトです。

このブログでは、主に離島の抱える問題に関する世界の参考データや資料を紹介しています。

ゆうやなうれ宮古島プロジェクトはいずれの団体、組織、特定の政治や思想グループにも属さず、影響を受けることの無い完全独立系の活動組織です。

(宮古島プロジェクト 運営管理部)

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