新しい環境に高い順応性をもつ子どもを育てる

毎年今頃は、宮古島でも就職や進学で旅に出た子どもたちが、出発前に抱いていた予想と現実の違いに戸惑ったり、落胆している、という話が内輪話としてちらほら耳に入ってくる時期です。

これは、全国的にも「5月病」と言われる季節的社会現象で、学校や会社、知らない土地での生活など、新しい環境に適応できない人たちによる一種の欝(うつ)状態や心身両面でのストレス性不調です。

現在のようにメディアが発達し、宮古島の居間でもタイムラグなしで本土と同じ価値観を共有できる時代にあっても、いざ異なる環境に入ってみると、自分が持っていた情報や予想が現実には全く異質なものであったと感じることが多いのも事実です。

しかも、新しい環境に対し現実的な情報を提供されることが少ないまま旅立ってしまい、到着早々にギャップの大きさに驚かされる、というのは昔の「金の卵」時代から今に至るまであまり変わっていないように思います。

この問題を、就職や進学を決めた本人の責任とするのには明らかに無理があります。さらに、進路指導や進学指導を行った学校は、組織的、システム的に個々の学生の対応能力や、就学先や企業の就業実態との適合性の確認までは、調査機能を持たないために指導の対象としていません。

つまり、学校や企業が配布しているごく上っ面の限られた情報や大学側、企業側担当者の立場からの一方的な情報以外は、自分はどのような環境で何をし、毎日がどのように過ぎていくのかの実態を知らずに新しい環境に立たされるわけです。

現実の問題として、希望を抱いて進む子供たちにとって進学、就職環境は最初から大きなストレスも内在しています。

私たちがこの問題をここで取り上げ、宮古島プロジェクト内に新しい検討クラスターを設置するのは、宮古島の子どもたちにとって明らかなつまずきの要因になるかもしれない潜在性をもつ問題を、家族や地域で取り除く努力の必要性を感じたためです。

新しい環境に馴染みにくいのは、適応障害や発達障害、アスペルガーと診断された人々だけでなく、多くの子どもや大人が程度の差こそあれ、ある種の適応障害をかかえていることも原因の一つとなるかもしれませn。
また、社会に何の問題も無く順応していた人でも、それまで体験したことの無い強いストレスに襲われた時は、パニック障害に悩まされる場合もあります。

さらに大きな問題は、学校や企業側も阻害要素をたくさん抱えており、新入生や新社員がすんなりと馴染ませてもらえない状況が数多く存在します。

宮古島を旅立つ子どもたちに一番必要なことは、子供たちが直面する新しい環境に関する、出来る限り正確な情報を家族が集め、説明し、どのような毎日になるのかについてしっかりとしたイメージトレーニングを行うという、家庭における “新しい環境での順応性・対応性を高めるための 「環境調整」”であると考えます。

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Author:宮古島プロジェクト

宮古島をはじめ離島で暮らす人々の将来のために島を活性化し、島民が心豊かに暮らすことの出来る場所にするための活動モデルをプラットフォーム上で構築するのが、ゆうやなうれ宮古島プロジェクトです。

このブログでは、主に離島の抱える問題に関する世界の参考データや資料を紹介しています。

ゆうやなうれ宮古島プロジェクトはいずれの団体、組織、特定の政治や思想グループにも属さず、影響を受けることの無い完全独立系の活動組織です。

(宮古島プロジェクト 運営管理部)

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