国際会議と宮古島へのフィードバック

世界の島々がかかえる問題を、グローバル・イシューとして世界各国がとりあげるようになったのは、1900年代に入ってから。 その後、太平洋島嶼諸国との関係を強化し、同地域の発展に共に取り組むことを目的とした国際会議、 「太平洋・島サミット」 が1997年より3年毎に開かれて、昨年の第6回会議は沖縄で開催されました。

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Photo courtesy: Ministry of Foreign Affairs of Japan

太平洋・島サミットについては、こちらの外務省のサイトでお読みください。

こうして、「太平洋・島サミット」 や国際島嶼学会が開催する世界島嶼会議によって、世界の目が小さな島々に向けられることは私たちとしても歓迎すべき傾向ですが、それでは、これまでの国際会議のフィードバックが宮古島にどう反映されているのでしょうか?

確かに国際会議開催前や開催後の共同宣言やコミットメント報告はニュースでは流れますが、その後コミットメントに関するワーク・グループの活動を宮古島で見ることもありませんし、主要論点について島内で独自に協議されることもありません。

わたしたちが独自に調査した結果からも、これらの傾向は宮古島をはじめとする日本の島々に限らず、海外の多くの島嶼地域でも似たような傾向です。 確かに、国連大学のプロジェクトなど、継続されているものも幾つかありますが、根本的な課題についての継続的取組み数はまだまだ少ないようです。

今、宮古島プロジェクトのすすめているのが、これまでの国際会議やフォーラムを通じてなされてきたグローバル視点からの提言の中に各離島が独自に取り組むことのできるテーマやローカライゼーションによって有効となるプログラムを探すことです。 また、これらのプログラムをプラットフォームを通じ私たちの島々での運用可能な方式への改善を行い、共有できるシェアウェアとして再提供することです。

またこれに関連するプログラムが、「離島におけるプロジェクトの失敗例」 を多く集めた参考資料クラスターの立ち上げです。
国際規模での優れた汎用性を持つプロジェクトも、一種の標準化プログラムであり、離島での運用段階では採用できる部分が少なく、地域特性への適合性に欠けるなどの理由で敬遠されてきました。 なかでも、地域文化への理解度の不足、具体的には “島独自の文化性への配慮欠如による” 失敗例がとても多いようです。

「プロジェクトの失敗例」 を多く集めた参考資料クラスターは、各島の問題改善に取り組む人々がこれらのプロジェクトの欠陥と、個別の問題点を知ることで、自分たちのプログラム精度を高めるための参考になります。

離島を干上がらせないために、私たちがしておかなければならないこと。

世界の島嶼地域に共通する問題は、近い将来島が温暖化によって水浸しになるか、乱開発などの環境破壊によって干上がってしまうかのいずれかの脅威にさらされることになるという不安を抱えていること。

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太平洋の島嶼地域は政治的、経済的問題から、社会問題、環境問題などにおいても深刻度と緊急性の高い問題を多く抱えており、しかも各地域独自の事情が有り、一元的解決法では間に合わないという難しさもあります。
それらの事情は、これまで6回開催されている沖縄を含む太平洋島嶼国や地域における協力体制を強めるための国際会議、太平洋・島サミット(日本・太平洋諸島フォーラム首脳会議)をみてもよく解かります。

さらに、太平洋島嶼国・地域には、1990年代後半より広まり始めた中国のこの地域への影響力が近年益々大きくなり、海外からの協力体制や島嶼国同士での協調体制づくりがいっそう難しい状況になっています。

私たちが自分の島をサステイナブル(持続可能)な島とするための最も現実的な対策は、地震対策や津波対策と同じで、自分でしっかりと準備しておくことのようです。

このブログでも何度か紹介した、ハワイ大学マウイ校が管理・運営する International Small Islands Studies Association の報告の中にも、私たちがこの島をサステイナブル(持続可能)な島となるための多くのヒントがありますので、参考にして下さい。

また、宮古島プロジェクトのプラットフォーム上でも、サステイナブル(持続可能)な島とするための以下の提案を行っています。

1.観光開発は、目先の利益や場当たり的企画での開発を止め、長期展望と明確なビジョンを持って開発計画を進める。
2.農業や水産業の発展目標は、土地条件や近海の漁獲状況のデータ分析、生産者の状況(年齢や人数、男女比)にあった生産体制とし、市場性についての専門的指導員をそろえるなど、従事者の個人的判断を補う組織的サポート体制による農業運営や漁業運営とする。
3.地域の市民生活を守るための基盤は、健康と次世代をになう子どもをしっかり育てること。 そのために、健康・予病対策、島の子どもに大きな夢や目標をたくさん持たせるためのプログラムを、地域の社会事業とする。
4.各分野のプロジェクトを効果的に実施するために、推進の要となるキー・プレーヤー(プロジェクト推進者)をしっかりと育てる。

これらは、政府や国際機関からの財政的支援無しでも地域の力を結集することで、すぐにでも始められることです。

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宮古島プロジェクト

Author:宮古島プロジェクト

宮古島をはじめ離島で暮らす人々の将来のために島を活性化し、島民が心豊かに暮らすことの出来る場所にするための活動モデルをプラットフォーム上で構築するのが、ゆうやなうれ宮古島プロジェクトです。

このブログでは、主に離島の抱える問題に関する世界の参考データや資料を紹介しています。

ゆうやなうれ宮古島プロジェクトはいずれの団体、組織、特定の政治や思想グループにも属さず、影響を受けることの無い完全独立系の活動組織です。

(宮古島プロジェクト 運営管理部)

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