生態系保護の立場からみる、害虫駆除の問題点

先日、公園の草地を散策していたところ、小さなバッタがピョン、ピョン飛び跳ねていました。捕まえてみたら、小さな羽で頭でっかちの幼虫バッタでした。 トノサマバッタの幼虫であろう。 街中では見かけなくなったが、いるところにはいるもんだと、安堵しました。
そこで思い出したのが、2ヶ月前の新聞 (7月29日 宮古毎日新聞)でした。

内容は、伊良部の下地島でサトウキビに食害を与えるトノサマバッタが異常発生した。 県、市、宮古精糖工場など関係者は、バッタの発生源である下地島空港滑走路周辺の草地約270ヘクタールで、大掛かりな農薬散布をすることに決めた。
草地では幼虫バッタが無数に発生しており、農薬散布による根絶で、キビ畑への飛散防止を図る。 方法は、農薬スミオチン乳剤を水に混ぜ、大型送風散布機(スーパーパウダー)で散布する。 県は、「散布した農薬が、雨で水路を流れ、漁場を汚染するのでは」と懸念。 このため市は、三漁協(伊良部、宮古島、池間)から農薬使用の承諾書を取り付けた。 
同工場は、「発生源で根絶しない限り、農薬散布作業の打ち切りにはめどが立たない。」と話し、「早急の早期根絶に期待を込めた。」というものでした。

近いうちに、草地のバッタは根絶し、生活が脅かされていたサトウキビ農家を始め関係者は、安心することだと思います。 しかし、この方法には疑問が残ります。 県が懸念していたように、農薬が海を汚染し、生態系に悪影響を及ぼす恐れがあります。 (三漁協が、承諾したかどうかとは無関係に)

そもそも特定の昆虫が異常繁殖するのは、生態系のバランスが崩れたからだと考えられます。
この方法だと、バッタだけでなく、他の昆虫や小さな生き物も根絶される可能性があります。 そうなると又、別の種が異常繁殖し、その駆除のため別の薬を使用する。 それを繰り返していくと、多くの生き物が絶滅する恐れがあります。 もし、ミツバチを始め昆虫がいなくなったら、どうなるでしょうか? 
植物の受粉が行われず、多くの農作物ができなくなります。

世界的には、食糧不足の危機となります。 強引に動植物を絶滅させてはいけません。 例えば、ハブは恐ろしい毒ヘビですが、噛まれると人間が死ぬかもしれないという理由で、根絶させてはいけないのです。 ハブが絶滅すると食物連鎖が崩れ、ある種の動植物が異常繁殖あるいは絶滅が起きるかも知れないのです。

私たちは、経済的あるいは肉体的に害をおよぼす生物を害虫、害鳥、害獣などと呼びます。 しかし、自然界、あるいは地球にとって最大の害虫(害人?)は、人類だと思います。 自然の恵みを搾取するだけで、何も与えないのが人類だけです。 他の生物は命の連鎖システムができています。 それを断ち切っているのが、私たち人類なのです。 自然界は、必ず報復します。 いやもう始まっていると言えるでしょう。

では、どのような方法を取るべきでしょうか?
宮古島においては、農業の根本的な在り方を考え直す時期に来ていると思います。 自然と調和の取れた農業、安心、安全な食物を供給できる農業、地下水を汚さないですむ農業など宮古の独自性を生かし、経営の成り立つ農業をめざすのはどうでしょうか?

そのようなことは不可能だと言う方も多いと思いますが、行政、研究者、農家を含めた農業関係者、市民が高い意識をもって、知恵を絞って取り組めば実現できると信じています。 そして宮古島の農業を世界に発信できれば幸いだと思います。

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宮古島をはじめ離島で暮らす人々の将来のために島を活性化し、島民が心豊かに暮らすことの出来る場所にするための活動モデルをプラットフォーム上で構築するのが、ゆうやなうれ宮古島プロジェクトです。

このブログでは、主に離島の抱える問題に関する世界の参考データや資料を紹介しています。

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(宮古島プロジェクト 運営管理部)

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