ハンセン病市民学会 宮古交流集会に参加して

 5月20日に「2011年 ハンセン病市民学会 第7回交流集会 IN 名護・宮古島」の宮古島交流集会が、国立療養所宮古南静園で開かれました。 その一環として、戦時中に入居者らが避難生活をした海辺の自然壕や園内を見学する、フィールドワークが行なわれました。

 私はボランティアガイドとして、参加者に 「ぬすとぅぬガマ」、そして 「トンネル壕(2つある)」と呼ばれる自然壕を案内することになりました。

 「ぬすとぅぬガマ」は、ロープを伝わって登らなければ入れません。そこは、昔地域の人達が、コレラなどの伝染病で亡くなった人を風葬した場所で、たくさんの人骨があったそうです。
避難生活のため、人骨を片隅に寄せて、平たい石や草を敷いて休んだとのことです。 私は、ここを実際に体験した方達と共に3度訪れて、ガイドのための下調べをしました。

 何度来ても想像を絶する、過酷で耐え難い生活をしいられたことを感じます。 ここで110人もの入所者が栄養不良とマラリアで亡くなられたそうです。 戦争が、入所者の環境をさらに悲惨なものにしたのです。 
ハンセン病患者の隔離政策は人権蹂躙の歴史でもありますが、強制的な断種・堕胎はその象徴的なものだと思います。 驚いたことに、戦後も基本的人権の尊重をうたった憲法のもと、そのことが合法化され行なわれていたのです。

 さらに責められるべきことは、治療法が確立してから半世紀もライ予防法が存在したことです。 1996年、約90年続いた「ライ予防法」は廃止されました。 しかし、問題が全て解決したわけではありません。 島内外の偏見、差別は根深いものです。 元患者は、いまだに世間に知られることを恐れる生活を余儀なくされています。

 なぜ、いつまでも差別が続くのでしょう。
それは、1907年、「らい予防に関する件」を施行して軍や警察が携わって、ハンセン病患者を隔離し、罪人のように扱ったり、患家を消毒したりすることで、ハンセン病は怖い病気という意識が潜在的に植えつけられたこと。 現在のハンセン病が正しく理解されていないことからです。

 ハンセン病はらい菌という細菌によるもので、感染力も弱く、発症は個人の免疫力、衛生状態、栄養事情などが関係しますが、現在の衛生状態、栄養状態、医療状態を考えますと、らい菌に感染してもハンセン病になることはほとんどありません。 ハンセン病医療従事者で、発病した人はいません。 また仮に発病したとしても、何日か薬を飲めば完全に治ります。
家族に患者がいても、何も恐れることはないのです。 そういう意味では、感染力が強く、時には死に至らしめるインフルエンザの方が、よっぽど怖い病気です。
誤った隔離政策をとった国や、差別を増長させた地方行政は、責任をもって多額の予算を使い、ハンセン病の正しい知識を世間に知らしめ、そのイメージを払拭する必要があると思います。
 
 そして私たちは、この事を過去のものとするのではなく、いつでもそのような偏見、差別に陥る土壌があるということを忘れてはいけません。 
新型ウイルス騒動の時でもそうでしょう。 国内で初期に感染した人が悪いみたいな世間の態度、エイズ患者に対する冷たい態度。 人は好んで病気になったわけではなく、運悪くそうなっただけで誰でもそうなる可能性があるのです。 差別されるいわれは無いのです。 

 私たちは2度と同じ過ちを犯さないよう、この問題を風化させず、常に警鐘を鳴らし続ける必要があります。

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宮古島をはじめ離島で暮らす人々の将来のために島を活性化し、島民が心豊かに暮らすことの出来る場所にするための活動モデルをプラットフォーム上で構築するのが、ゆうやなうれ宮古島プロジェクトです。

このブログでは、主に離島の抱える問題に関する世界の参考データや資料を紹介しています。

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(宮古島プロジェクト 運営管理部)

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