離島の環境改善ために応用可能な情報

 ゆうやなうれ宮古島プロジェクトは、宮古島をはじめ離島における共通の問題に対し有効な解決策を求めるためのプラットフォームであり、解決が急がれる課題について改善プロセスを高めるための参考情報や解決事例を独自のネットワークにより国内外より収集し、紹介することを目的としています。

 離島に関する問題は島固有のものもありますが、対応策として共有できるものが多くあります。 また、離島における生態系の変化や破壊に対する対策、研究結果などエコロジカル・サイエンス及びエコロジカル・エンジニアリングに関する海外の情報を収集し、離島の生活環境改善につながる数多くのノウハウを紹介するのも重要な活動目標です。 

 これらの基本運営方式に従い、このブログ上でのコンテンツは宮古島の情報を発信させるより、むしろ宮古島をはじめ全国の離島のためになる情報、離島で採用可能な有益情報をより多く集めて掲載し、島の将来を考える人々に生かしてもらうことを目的としています。

 さて、今回もそのような離島の環境改善を考える人々にとって参考になる情報です。

 「CNNヒーロー」などで毎年紹介されている、世界に影響のある仕事を成遂げた人々の多くは、組織や行政に頼ることなく個人で結果を出していることに驚かされますが、今月TEDで紹介されたインドネシアのバリ島にあるグリーン・スクールに通う十代の姉妹Melati Wijsen さんと Isabel Wijsenさんも、プラスチック廃棄物に関し自分たちの強い思いを持って行動し、国家や国連をも動かす成果を上げています。

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Photo courtesy: TED Conferences LLC.

 離島においてアウトリーチプログラムを実践する人々にとって、彼女たちのプロジェクトの立ち上げからアウトリーチに至るプロセスには参考になる基本ノウハウが多く含まれています。

 TEDをはじめ You Tube で数多く紹介されていますので、興味のある方はご覧になってください。

車のCO2 (二酸化炭素)排出による、島の環境負担

宮古島Emission

離島の観光地は、広い本土の観光地とは多くの異なる環境対策や生態系の保護対策が必要になります。 その一つが観光開発と生態系への影響です。 環境開発の中で、土木工事や建設事業に伴う生態系への影響は次の機会として、今回は車のCO2 排出による、島の環境負担について考えます。

2014年度時点での宮古島の車両数は、ガソリン車が約10200台(内約1300台がレンタカー)、ディーゼル車が約5100台で、合わせて約15300台が島内を走っています。 ここでは、ザックリとエンジンのサイズを平均化して車両一台につき年間の二酸化炭素 (CO2) 排出量を2200kg とします。 また、秋の落葉量の少ない先島の広葉樹を対象として年間二酸化炭素の吸収量を1本あたり約70Kg と考えると、宮古島で車1台分の二酸化炭素を吸収するためには、約31本の木が必要になります。 したがって、島全体の車両数に見合う広葉樹の数は465000本です。

もちろん、大気中に放出されたCO2 は海水にも吸収されます。 ただ、大気中と海水中の二酸化炭素の濃度の圧力差で海水中に吸収されたCO2 が吸収と放出を繰り返すのと、風の日には海水に吸収される前に大気中に飛ばされるので、限定地域での吸収量を計測するのはかなり難しくなりますので、ここでは参考値の対象外です。
ちなみに算出方式は、F = K × ( p CO2sea − p CO2air ) ですが、興味のある方は気象庁のホームページでも調べることができますので、参考にしてください。

ここで提案したいのは、観光関連産業による宮古島の緑化推進事業です。 観光客の移動に欠かすことのできないレンタカーと観光バスのいずれかを利用することで、観光客一人当たりの平均移動距離によるCO2 排出量は、単純計算でも宮古島の総人口による排出量の16.25%になります。

これらのことから、観光業界とレンタカー業界、植生地表をアスファルトに変えた広い駐車場を持つホテルやゴルフ場ではそれぞれの会社のエコツーリズム推進事業への参加で企業イメージを一層高めるためにも、16.25% に見合う植樹75000本程をすることで、10年後にはさらに宮古島の景色が魅力的になるはずです。

リサイクル事業は行き詰ったのか?

多くの人々が既に気付いていたことですが、6月20日のワシントンポスト紙の 「アメリカのリサイクル事業は行き詰った」の記事は、今更ながらにゴミの再生が現代社会にとってどれ程大きな負担になっているかを思い知らされます。

わずか10年程前の話ですが、世界の先進国では 「いかにしてゴミの焼却炉の建造数を減らし、リサイクル資源としての利用率を高めていくか?」、の方向に向かっていました。

この動きの発端は、1997年に締結された「京都議定書目標達成計画」の地球温暖化対策推進法改正改定案において廃棄物処理における取り組み項目に廃棄物発電等エネルギー利用、プラスチック製容器包装のリサイクル、BDF(Bio Diesel Fuel)の導入等が挙げられていることにあります。

ところが、2011年頃から世界各地でリサイクル事業は目標値に到達することが難しい状況になりました。 原因のひとつは中国経済の鈍化で、プラスチック廃棄物や古紙の需要の落ち込みが続いています。 これに伴い取引単価も下落し、再利用資源としての潤滑な需要供給バランスが崩れています。

そうなると、再生資源としての役割を果たせない大量のプラスチックや古紙は再び膨大な処理費用をともなう焼却処分や埋め立て対象の廃棄物に戻ります。
さらに、ゴミ処理のための焼却炉の数が減っており処理が十分にできないという危機的状況の地域もあります。

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Photo Courtesy: United States Environmental Protection Agency

これが、「アメリカのリサイクル事業は行き詰った」の記事に至る実情です。

また、日本でも多く行われている再生エネルギー構想にしても、稼働後に得られるエネルギー量などはわずかなもので、経済効果の上では採算点に達することなく、稼働を続けるためには国や自治体の継続的支援が必要となっています。

そこで、アメリカの傾向としては再び埋め立て処分を行う比率が高くなってきていますが、日本でも過度の分別作業を市民に負担させておきながら、リサイクル業者が引き取らない時はさっさと一般焼却ゴミと混ぜ合わされ、焼却していることがよくあります。

ゴミの処理に関しては、再生市場の経済事情に振り回されることなく、どこまで地域完結型の処理が出来るかが完全処理・安全処理のカギとなります。

大気汚染微笑粒子 PM2.5

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このイメージは、東京大学大気海洋研究所(気候システム研究系)・国立環境研究所・海洋研究開発機構(地球環境変動領域)が開発しているSPRINTARS のシュミレーション動画の一部です。

この予測シュミレーションからも、高濃度の大気汚染粒子 PM 2.5による宮古島や先島地域への越境汚染の分布状況ががわかります。

このような高濃度が予測される日には、
① ご高齢者の方や子供、呼吸器系や循環器系の疾患のある人は外出をひかえる。
② 窓を開けない、各部屋の換気口を締める。 特に寝室。
③ 洗濯物を外に干さない
④ 小さなお子さんのいる家庭では、子供用の洗眼、うがいぐすりを用意し、子供部屋の
  換気口を必ず塞いで、外気が部屋に入らないようにする。
などの対応が必要です。

SPRINTARS の観測データや越境汚染予報は、Twitter や Facebook でも公開されていますので、携帯やスマホでも、http://pm25.jp/ から毎日チェックすることができますので、特に冬期間はこまめにチックして、家族の健康を守ることをお薦めします。

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Author:宮古島プロジェクト

宮古島をはじめ離島で暮らす人々の将来のために島を活性化し、島民が心豊かに暮らすことの出来る場所にするための活動モデルをプラットフォーム上で構築するのが、ゆうやなうれ宮古島プロジェクトです。

このブログでは、主に離島の抱える問題に関する世界の参考データや資料を紹介しています。

ゆうやなうれ宮古島プロジェクトはいずれの団体、組織、特定の政治や思想グループにも属さず、影響を受けることの無い完全独立系の活動組織です。

(宮古島プロジェクト 運営管理部)

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